トライアウトを受けるまで
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記! <2>
決心するまで1カ月。その間に考えていたこと。
偶然知った、トライアウト
僕が四国アイランドリーグのトライアウトを本当に受けようと決心したのは、9月半ばだった。トライアウトの存在を知ったのが8月半ばだったから、決断までに1カ月の時間を要したことになる。
2015年8月、お盆が明けた頃。
僕は野球イベントをこなした後、スタッフや共演者の方たちと楽しく食事をとっていた。会もなかばにさしかかったくらいだったと思う。その中にいた友人のひとりが僕のとなりにやってきてこう言った。
「ソウスケさん、独立リーグにもトライアウトがあるの知ってます?」
みんながわいわい盛り上がっている中だったから気に留める人はいなかった。僕も最初はあまり気に留めず、当たり障りのないリアクションをした。
「独立リーグ? 野球の?」
「そうそう、そうです。全国にいろいろありますけど、四国アイランドリーグは実戦形式のテストをやっていて、一週間くらいずっと試合するらしいですよ。40歳目前に、プロ野球選手になるチャンス(笑)」
冗談とも本気ともつかない口ぶりだった。
友人とは草野球をともにする仲でもあり、僕が野球となると、(笑いを忘れて……)真剣になってしまうことを知っているから、完全にふざけていたわけではなかったと思う。きっとちょっと面白いかな、くらいの気持ちだったんだろう。